病院は本日も大騒ぎ

薬の取り違い避けるため 看護師2人のダブルチェックで対策

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
「誤薬」しないための工夫

 こんにちは! 町のクリニックから関東圏の総合病院に移り、通算看護師歴20年になる看護師長のマサコです。

 時々、新聞やテレビで、看護師による「医療ミス」が報じられることがあります。

 他の病院で生じた不祥事でも“対岸の火事”とすることはありません。私たちの病院でも、看護師のミーティングなどでそのつど話題にし、「なぜ起こったか」を話し合い、注意を喚起しています。

 看護師の医療ミスで多いケースが、毎日、入院患者さんに飲ませる薬の取り違いです。これを「誤薬」と言います。その誤薬を避けるために、どこの病院でもそうでしょうが、次のような手順を踏んでいます。

 まず、医師から患者さんへの薬が処方され、指示されます。薬とその指示簿を照らし合わせる際、1人ではなく、できるだけ2人の看護師で確認します。確認した後、次に病室で患者さんに配薬をするとき、これも2人の看護師でチェックし、さらに与薬するときに、もう1度確認することにしています。

 患者さんに手渡した後、患者さんが完全に服薬したかどうかも立ち会って自分の目で確認します。まれに飲み忘れたり、後で飲むという人がいるためです。看護師がこのルーティン(決まり切った仕事)を守らないと、誤薬の回数が多くなります。

 もし、患者さんが誤薬してしまった場合は、当然ですがすぐに担当医に報告して対処してもらいます。むろん誤薬した看護師は、担当医や婦長から強いお叱りを受けることになります。

 誤薬は、とくに降圧剤や糖尿病薬で危険が生じることもあるので、対処後でも観察を密にしています。そもそも投薬ミスなどめったに起こりませんが、それでも入院患者さんの4人相部屋、6人相部屋などは要注意です。与薬を間違えることがあるので、細心の注意を払っています。