“誤診”で手術も…「膵臓がん」で知るべき2つの最新知識

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 誤診されて手術まで行われるケースもある。患者からIgG4の血液検査を求めることも念頭に置いた方がいいかもしれない。

 膵臓がんは早期発見が困難で、それゆえに手術が不可能。手の打ちようがなく生存率も極めて低い。それを避けるためには、早期慢性膵炎かどうかの確認をすべきだ。膵炎には、膵液が活性化して膵臓を消化する「急性」と、炎症で膵臓が徐々に破壊される「慢性」がある。慢性膵炎があれば、膵臓がんのリスクは健常な人の10~20倍上がる。

「慢性膵炎で定期的に膵臓がんを調べていても、膵臓の細胞が破壊されているため、画像上では小さな膵臓がんを見つけにくいのです」

 慢性膵炎は進行すると治らない。治療ではそれ以上、悪くなるのを抑えるしかなく、依然、膵臓がんのリスクは高いままだ。しかし、早期慢性膵炎で治療が始まれば、慢性膵炎に発展しない可能性がある。これは、日本が中心となって取り組んでいる試みだ。

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