がん治療を変える 日本発新免疫療法

オプジーボ投与による治療で腫瘍マーカーが25分の1にダウン

(C)日刊ゲンダイ

■月に100万円を超える治療費

 ただし、治療費には頭を痛めたという。「オプジーボ」によるがん治療は日本の場合、根治切除不能なメラノーマ(悪性黒色腫)に続き、昨年末に切除不能な「非小細胞肺がん」も保険対象とされる方針が発表されている。ところがAさんの肺がんは「小細胞がん」であったため、保険が適応されず、自費診療となり、月に100万円を超える高い治療費を支払うことになったからだ。

「主人は、がんと診断されたら一括数百万円が支払われるがん保険に加入しておりましたので、助かりました。これがなければ高額なオプジーボを使うことはためらったかもしれません」(Aさんの妻)

 これまでの抗がん剤は投与を中止するとすぐに腫瘍マーカーが上昇してくることがほとんどであったが、オプジーボが効く症例では、投与後しばらく効果が続くという特殊性が示唆されている。Aさんも当初は「オプジーボを死ぬまで定期的に、投与し続けなければならない」と覚悟したが、初回治療後から2回目の治療開始まで、半年近い“休薬期間”が得られたので治療費の面でホッとしたという。Aさんの2回目の治療を担当した東京・銀座にある「銀座並木通りクリニック」の三好立院長は言う。

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