多発する健康被害 マッサージは安易に受けてはいけない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 いわゆる「マッサージ店」には、いくつも種類がある。施術者に国家資格が必要な「整骨院・接骨院」や「鍼灸院」のほか、民間資格や無資格でも開業できる「整体院」「カイロプラクティック」「リラクゼーションサロン」などが乱立している。中には、わずか数日~3週間程度の研修を受けただけで、施術を行っているところもある。

 無資格の“シロウト”による施術はもちろん、国家資格のあるなしにかかわらず健康被害は起こっている。安易にマッサージを受けるのは危ないのだ。

「綾瀬厚生病院」(神奈川・綾瀬市)理事長で、整形外科専門医の阿部聡氏は言う。

「手足のしびれや痛みといった症状がある場合、さまざまな疾患、とりわけ神経の病気が隠れている可能性が高いといえます。そうした病気による症状は、いくら押したり引いたりひねったりしても改善するわけがありません。健康な人の肩や背中などの筋肉の張りに対し、それをほぐして和らげる程度の施術なら大きな問題はないでしょう。しかし、しびれや痛みといった症状があるのに、安易に施術を受けるのは危険です。十分な診断能力を持たない施術者は、仮に病気が隠れていても分かりません。症状を悪化させたり、深刻なトラブルを引き起こす可能性があります」

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