それでも、やはり再手術が必要になるケースはあります。改善されたとはいえ、生体弁のようにどうしても経年劣化が避けられないものもある上、現代は高齢化が進んでいます。以前は、心臓の手術は70代くらいまでとされていましたが、今は80代でも手術が行われます。そうなってくると、40~60代で手術を受けた患者さんは、20~30年後に再手術が必要になるケースが出てくるのです。
75歳以上の高齢者ならともかく、60代以下で手術を受ける人は、2回目の手術ないしは追加治療があるということを想定しておいた方がいいでしょう。生体弁治療においては、数年後には2回目以降の治療は大きく開腹手術しないで済むカテーテル治療になる可能性が高く、再治療の選択肢として価値が高いものになっていくでしょう。とはいえ、それ以外の手術も含めて再手術を意識しておくことは必要です。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」