先月、俳優・渡辺謙さんの早期胃がん発見のニュースが話題になりました。私も医療のコーディネーターとして、多くの早期胃がんの発見に立ち会ってきた経験があります。
この仕事を始めた1995年に、胃がんはピロリ菌の感染と関係があることを学びました。血液検査でペプシノーゲン1&2を調べることでピロリ菌に感染しているかどうかがわかるため、常にそのチェックを相談者に勧めています。
栄養相談でいらした20代の女性は、胃の自覚症状は何もありませんでしたが、血液検査でピロリ抗体が見つかり、胃カメラを勧めたところ、早期の胃がんがわかりました。
血液は食による栄養状態をチェックするのと同時に、胃の状態も確認できます。忙しくて人間ドックをなかなか受けられないという人も、血液検査なら気軽に受けられるのではないでしょうか。血液からペプシノーゲンを調べる検査は保険適用ではありませんが、かかりつけ医にリクエストすれば受けられると思います。
さらに、胃がん対策として積極的に取るように勧めているのは「ビタミンC」です。これまで行われた実験から、ピロリ菌感染者の胃液中のビタミンC濃度は、健常者の10分の1ほどだということが分かっています。人体はビタミンCを作れないため、毎食意識してビタミンCが豊富な食材を取る必要があります。
イチ押しは、赤や黄色のピーマンです。ピーマンとトマトジュース、そして旬の果物を使った生スムージーは、栄養面も味も最高です。ただ、ビタミンCを壊すアスコルビナーゼを含むニンジンは一緒に取らない方がよいでしょう。
もしニンジンも加えるなら、お酢を少量入れるとビタミンCが壊れません。
サラリーマンのパワーup 食で不調を撃退する
体内で生成できないビタミンC 意識的な摂取で“胃がん対策”
イチ押しは赤や黄色のピーマンを使った生スムージー