がん治療を変える 日本発新免疫療法

抗がん剤と放射線 「上乗せ効果」が期待される併用治療

(C)日刊ゲンダイ

「この患者さんの場合、腫瘍は肺にあったのですが、そことは別の場所に弱い放射線を照射したところ効果が認められました。上乗せ効果を得られたのかもしれないと考えています」

 しかし、確実な上乗せ効果が期待できるものといえば、「ヤーボイ」(商品名、一般名はイピリムマブ)と呼ばれる別の免疫チェックポイント阻害剤との併用だ。

 これは、2011年に米国で承認され、40カ国以上で使われているメラノーマ(悪性黒色腫)の薬だ。

「がん細胞は、体にもともと備わっている免疫の暴走を防ぐ仕組みを悪用する性質があります。たとえば人間の免疫細胞が持つ『PD-1』というタンパク質にくっついて免疫を麻痺させ、がん細胞への攻撃にブレーキをかけるのです。これをブロックしてがんにフルパワーで攻撃できるようにするのが、オプジーボです。また、同じようにがん細胞は『CTLA―4』というタンパク質に働きかけて免疫にブレーキをかけます。このブレーキを解除させるのが『ヤーボイ』なのです」(黒崎部長)

 実はこの2つの免疫チェックポイント阻害剤をダブルで使う治療法に効果があることが分かってきたのだ。

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