3週間実践で8割に効果 “低FODMAP食”で胃の調子を取り戻す

過敏性腸症候群にも効果(C)日刊ゲンダイ

「お腹にいいといわれているヨーグルトや牛乳には『乳糖』が含まれています。一般的な“腸の常識”とは逆で、過敏性腸症候群の人は、食べ過ぎに注意です。小麦、大麦、大豆には『オリゴ糖』が豊富に含まれています。オリゴ糖は、腸の健康によい影響を与えるとしてトクホ(特定保健用食品)に認定されていますが、これも同じです。納豆やキムチなどの発酵食品も大腸内で発酵を促進するためNGです」

 乳糖、果糖、フルクタン、ガラクタンなどのオリゴ糖類を含む小麦、タマネギ、レンズ豆、ひよこ豆を控える。甘味料として使われるソルビトール、キシリトールなどのポリオール類が使われている食品を避ける。

 高乳糖食のヨーグルトや牛乳、高果糖食のハチミツ、リンゴやモモなどの果物の摂取量を減らす。こうした食事を心がければ、胃腸の調子は回復する。

「豪州などで推奨されている低FODMAP食事法は、3週間はFODMAPの高い食事をすべて避け、その後、徐々にFODMAPの高い食品の摂取をひとつずつ再開していくというものです。これを厳密に実践するのは難しいのですが、研究では、意識して高FODMAP食の摂取量を減らすだけでも、症状が改善することがわかっています」

 ただし、低FODMAP食事法は、あくまでも胃腸の調子が悪い人に向けたもの。まったく問題ない健康な人が実践すると、かえって有用な腸内細菌の代謝産物を減らしてしまうこともある。普段から、胃腸の不調に悩んでいる人は試してみる価値ありだ。

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