がん治療を変える 日本発新免疫療法

免疫治療薬2剤併用で50%を超えるがん縮小効果

写真はイメージ(提供写真)

 このとき「CTLA―4」分子が介在するとT細胞の活性化が抑制され、がんへの攻撃力が弱くなってしまう。

 一方、「PD-1」分子が介在するとT細胞の活性化の邪魔はしないものの、その後、活性化したT細胞の動きを抑制してがん細胞への攻撃をやめさせてしまう。

 つまり、「ヤーボイ」は弱まったがん細胞への攻撃を強化し、「オプジーボ」は中断したがん細胞への攻撃を再開させる働きがあるのだ。

 実はいま、この2つの「免疫チェックポイント阻害剤」を同時に使う治療法が世界中で注目されている。世界的権威のある医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」(2015年5月21日号)では、米国のがん研究グループが「オプジーボ」と「ヤーボイ」を同時に使うことで49歳女性の転移した悪性腫瘍を消失させた症例を報告している。

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