Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【3.11を考える】(下)福島の米と牛肉は日本一安全だ

福島物産展で小泉進次郎(左)と内堀福島県知事(C)日刊ゲンダイ

 食品に含まれる放射性物質の基準は、食材1キロ当たり100ベクレル。米国やEUの12分の1以下の厳しさです。

 これほど徹底した管理をしているところは、他にありません。検査体制が充実した福島産が日本で一番安全といっても過言ではないでしょう。私は、おいしい福島米を喜んで食べています。

 野菜や果物、牛乳でも基準値超えはありませんでした。「山菜・キノコ」はまだ基準値超えがありますが、12年度は90件でしたが、14年は25件と着実に減っています。

 魚介類も全体として基準値超えは確実に減少傾向です。当初、シラスやコウナゴなど海の表層にいる魚の放射能汚染が問題になりましたが、事故の年の秋には低下。今はゼロ。カツオやマグロなど広く回遊する魚からは一度も基準値超えがありません。貝類やイカ・タコ、エビ・カニ、ワカメ・ノリなども現在は基準値以下です。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。