Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【3.11を考える】(下)福島の米と牛肉は日本一安全だ

福島物産展で小泉進次郎(左)と内堀福島県知事(C)日刊ゲンダイ

 調査は毎週、深さや海域を変え、さまざまな魚200検体を調べています。昨年4月以降、基準値を超えるものはありませんが、それでも厳しい管理から、カレイやメバルなど28種が出荷制限に。試験操業しているのは72種類。魚介類も安全性が担保されています。

 厳しい検査の結果、全食品での基準値超えは14年度に113件、全体のわずか0.3%。12年度の1035件(同3.9%)から激減しています。

 100ベクレルという基準値は、年間の追加被曝が1ミリシーベルトにならないように決められたもの。セシウムで測定していますが、他の放射性物質が含まれても、「1ミリ」を超えないように考慮されていて、内部被曝はほぼゼロですから、福島産を排除するのは間違いです。首都圏の消費者のうち3割は福島産の購入を控えるようですが、こういう方は考えを改めるべきでしょう。

3 / 4 ページ

中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。