病院は本日も大騒ぎ

「閉鎖病棟」のドアの鍵を閉め忘れた

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 こんにちは! 町のクリニックから関東圏の総合病院に移り、通算看護師歴20年になる看護師長のマサコです。

 今回も自戒の念を込めて看護師のミスについて告白しましょう。

 前回、点滴ミスについてお話ししましたが、看護師のミスで多いのは点滴の速度の間違えです。

 ある入院患者さんに点滴をしたところ、普段より速く滴下してしまいました。それだけならまだしも、床に点滴をこぼしてしまい、患者さんがその上を歩いて足が滑り、転倒してしまったことがあります。

 このようなミスを起こした場合、病院に「ヒヤリハット」(メディカル・インシデント=人的エラーを未然に発見し、重大な事故を防ぐ)報告書を提出しなければなりません。

 ミスでなく事故が起これば、「事故報告書」を提出することになります。看護師の失点ですね。

 この「ヒヤリハット」は、出版物としても販売されています。その事例を参考にして医療業者などが、新商品の改善に努めているようです。それを見ると、病院でさまざまなミスが起こっているのが分かります。

 病院には「閉鎖病棟」があります。精神的な疾患を抱えている患者さんが入院している病棟ですが、監視を怠るようなことがあってはいけません。

 病室を自由に出入りできないように、ドアには鍵をかけることにしています。それが鍵のかけ忘れで、患者さんがどこかに行ってしまったことがありました。

 看護師総出で捜し回ったところ、外来の待合室に座ってテレビを見ているのを見つけました。胸をなでおろしましたが、当時の師長さんに大目玉を食らいました。

 これはミスではありませんが、患者さんの行動を医師や看護師がとがめている場面を見かけることがあります。

 たとえば、肺がんの手術日を待つ入院患者さんです。本人は“手術後は吸えなくなるので最後の1本”と思ったのでしょう。病院の裏でたばこを吸っている現場を見つかりました。当然ながら医師はカンカン。「手術しないぞ!」と怒られていました。

 同じ病室で、肝臓病の患者さんは、お酒を飲んでいました。本人は隠したつもりでも吐く息が臭い。そのときは、担当医は「死んでも知りませんよ」と脅かしていました。