それでもなんとか早期に発見するためには、どうすべきか?
まずはMRI検査を受ける。膵臓がんは膵管から発生するが、MRIなら膵管の異変や嚢胞(液体の貯留)がハッキリと分かる。一般的にはCT検査を受けがちだが、10ミリ程度の早期の場合、分からないことが多い。
MRIで膵管の異変や嚢胞が確認されたら、次は超音波内視鏡の検査だ。通常の超音波とは違い、胃に挿入し、膵臓に高周波の超音波を当てて解像度の高い画像を撮影する。
「膵臓全部を調べられ、3ミリ前後までの腫瘍をチェックできます」
もし腫瘍が見つかったら、内視鏡を通して針を膵臓に刺し(穿刺)、細胞を取り出す(吸引)。この一連の流れが、冒頭で挙げた「EUS-FNA」になる。
膵臓がんの90%は腺がんと呼ばれるタイプだが、別のタイプもある。抗がん剤の種類や治療方針が同一ではないので、穿刺と吸引で組織診断をしないと患者の予後にかかわる。これは乳がん、胃がん、大腸がんも同様だ。