これらの検査で膵臓がんと確定診断されれば、手術など最も適した治療が行われる。早期であれば、前出の通り、5年生存率も高くなる。
EUS-FNAは2010年に保険適用になり、行っている医療施設が増えているが、押さえておくべきことがある。
「我々が小さな異変を見落とししないようにするには、超音波内視鏡検査のトレーニングを積むことが必要です。もちろんEUS-FNAでも同じことで、トレーニングが不十分であると正しい検査結果を得られるとは限らないのです」
【リスク因子が分かってきた】
最近、膵臓がんの高リスク因子が明らかになってきた。「膵臓がんの家族歴」「糖尿病の発症またはコントロール不良」「慢性膵炎」「膵嚢胞」だ。
「特に意識してほしいのは糖尿病です。血管の病気という認識の方が多いですが、糖尿病は膵臓に関連した病気で、新たに発症したり、血糖コントロールが悪ければ膵臓がんの発症を疑うことが重要です」