当事者たちが明かす「医療のウラ側」

薬剤師が危機感 「長期処方」に透けて見える患者の医療不信

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 それに比べて開業医の先生方は、できるだけ1カ月に1度は病院に来ていただけるよう、長期処方は避けるようです。ある診療所では、14日間以上、原則薬を出さないようにしています。

 むろん、月に1度は患者さんに来てもらわないと再診料をいただけない、という経営上の問題もあるのでしょう。しかし、慢性期の病気の患者さんを診ている医師なら、月に1度の診察は当然だと思います。私は、患者さんの体のことは開業医の先生の方が考えているように思います。

 ならば、なぜ患者さんは大学病院に行くのでしょう? 万一、心臓などの重大病にかかったとき、大学病院の診察券があった方がいい、と思っているのかもしれません。しかし、“どうせ病院に行っても薬を出してもらうだけで、病院は何もしてくれない”という気持ちもあるのではないでしょうか。つまり、患者さんの医療への信頼や期待が薄らいでいるのです。

 医師が患者さんと向き合い、その期待に応えなければ、日本の医療は国民からそっぽを向かれる気がしてなりません。

2 / 2 ページ