“生物学的製剤”続々登場で「喘息治療」はガラリと変わる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「喘息患者は症状がなくても炎症があり、気道を傷つけています。そこで、炎症を抑える『吸入ステロイド』をはじめとする長期管理薬を日頃から使用し、炎症を緩和して発作を起こらなくする。発作が起こった時には、『短時間作用型β2刺激薬』を使います。長期管理薬と発作治療薬を使い分けるようになり、喘息発作による死亡者が激減しました」

 次の大きな変化は、2009年。日本で初めての生物学的製剤「オマリズマブ」が登場した。

「アレルギー反応を引き起こす体内のIgE抗体の働きを抑えます。アトピー型喘息で、吸入ステロイドなどを使用しても状態が悪い重症患者に使用されます」

 この生物学的製剤は、約6割の患者に効く。「6割」というと高くない確率に思えるかもしれないが、対象となるのが「どの薬を使っても効果がなかった患者」だ。それで6割であれば、「よく効く」と考えられる。

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