■重症患者向けの新薬研究も
さらに、これから数年で生物学的製剤が続々と登場する予定だ。オマリズマブはIgE抗体に作用するが、今夏に認可されるだろうといわれる薬は「IL-5」というサイトカイン(炎症を起こすタンパク)に作用する抗体だ。「IL-4」や「IL-13」という別のサイトカインに作用する薬の研究も進んでいる。
いずれも「長期管理薬をきちんと使っていても喘息の発作をうまくコントロールできない重症患者」が対象とみなされているが、今後の期待として、相良教授は「個別化治療」を挙げる。
「喘息は、患者さんによって関与している炎症物質(サイトカインなど)が違い、機序が違う。それらを抑制する生物学的製剤(各抗体製剤)が登場することで、個々の患者さんに最適の薬を選んで治療を行える時代が来るでしょう」