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年をとると花粉症は治るのか

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 毎年繰り返す“憂鬱な春”に終わりは来るのか? 池袋大谷クリニックの大谷義夫院長に聞きました。

「年齢を重ねると花粉症の症状が軽くなるのは確かです」

 最新のスギ花粉症有病率を年齢別に見ると、10~20代が約31%、30代が35.5%、40代が39.1%、50代が33.1%。ところが60代になると、21.8%、70代は11.3%と著しく減少します。

 注目すべきは同じグループを12年間、追跡調査したデータ。スギに対する抗体が陽性だった60代の人は、12年後の72~81歳の時には半数以上が陰性化していたのです。なぜ、60代以降に有病者が減少するのでしょう?

「異物に対する免疫反応が鈍くなる、つまり花粉に対して反応しなくなるから、症状も出なくなるのです。ただ、それはインフルエンザや肺炎のウイルスに抵抗する力も弱くなるということですから、喜ばしいことばかりとは言えません」

 花粉症は40~50代でピークを過ぎ、あとは老化に伴って軽症化するのが一般的。感染症のリスクが高まっていくとはいえ、現在、花粉症に苦しんでいる人にとってはうれしいかもしれません。

「ただし、完治するとはなかなか言えません。症状が出なくなった高齢者でも、花粉の多い時季に再発する場合があるからです」

 症状が消えたからといって油断せず、花粉対策をお忘れなく。