医者の花形といえば外科医だ。がんの根治治療の基本は外科手術だし、外科医がいないと心臓治療も脳手術も不可能だ。
ところが、その外科医を希望する若手医師が極端に減り、日本医療が危機にさらされつつある。そうした現状を訴え、外科医増に向けて努力しているNPO法人「日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会」(東京都)の副理事長で国際医療福祉大学の北島政樹学長が言う。
「外科手術によってのみ救える命が数多く存在します。ところが、04年を境に外科医不足が顕著になってきた。このままでは数十年先、日本で心臓移植、がん手術などができなくなる。その危機感から09年にこの法人を立ち上げたのです」
厚労省のデータによると、日本の医師数は96年から06年までの10年間で23万人から26万3000人と14.4%増えた。ところが、外科医は3・3%しか増えていない。
どうなる! 日本の医療