オトナの社会講座

いっこく堂もこれで失神 医師に聞く“迷走神経反射”の怖さ

右はいっこく堂(C)日刊ゲンダイ

 持病がないのになぜ─―。不安に思った人は少なくないだろう。腹話術師のいっこく堂(52)が20日、自宅の廊下で失神して倒れ、外傷性くも膜下出血と脳挫傷で救急搬送されていた。幸い命に別条はなく、1週間ほどで退院するという。

 倒れた原因は迷走神経反射とされる。それは誰にも、どこでも起こり得るから厄介だ。聖路加国際病院内科名誉医長で、「西崎クリニック」院長の西崎統氏に聞いた。

「交感神経と副交感神経からなる自律神経は、どちらもいくつもの神経の総称で、迷走神経は副交感神経のひとつ。ストレス時に働く交感神経と対をなし、心拍数や血圧を下げたり、消化を促したりする働きがあります。通常は、どちらかが過剰にならないようにバランスを取っているのですが、それが崩れて、迷走神経が過剰に興奮すると、一時的な血圧低下や脈拍低下により、脳への血流が悪くなり、失神するのです」

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