オトナの社会講座

いっこく堂もこれで失神 医師に聞く“迷走神経反射”の怖さ

右はいっこく堂(C)日刊ゲンダイ

 診断名は難しい名前がついているが、病気のメカニズムは低血圧の人が朝礼などでバタンと倒れる起立性低血圧と同じ。特に上(収縮期)の血圧が100mmHgより低い、中年以降の人に起こりやすいが、それだけではない。誰でも発症する可能性があるという。

「共通項としては、強いストレスにさらされた状態です。ただし、一口にストレスといっても状況はさまざま。残業や寝不足を重ねた結果、疲労が積もり積もって朝の通勤ラッシュで座れず、立ちっ放しになるのが引き金になったりする。トイレにこもってふと立ち上がろうとしたときや、朝にベッドから起きようとして倒れる人もいます。血を見るのが苦手な人だと、採血後にフラッとする。倒れる前に血の気が引くようにフラッとして、汗が出たり、吐き気がしたりしますが、それで治まれば軽症。症状は脳血流の低下の度合いによって左右され、重症が失神です」

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