Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【南果歩さんのケース】乳がん 8割は乳房を温存できる

 しかし、注意も必要です。日本乳癌学会のHPにもあるように、悪性度が高いタイプは、2~3年で再発することが多いといわれます。実は、そういう“再発の芽”は、最初の乳がんが発見された時、すでに別の部位にありながら、検査で見つからないほど小さく、見落とされやすいと考えられているのです。

 ですから、乳がんの術後は定期的な検査で再発をチェックすることが不可欠。もうひとつは、自分で乳房を触ったり見たりするセルフチェック。パートナーによる触診も大事です。

 乳がんの新規発症者は約6万5000人。女性は12人に1人が発症します。女性のがんのトップが乳がんですから、乳がん予防のためにも男性のサポートが欠かせません。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。