NASHの治療目的は肝硬変や肝臓がんへの移行のストップだ。いかに炎症を抑え、線維化させないかが重要になる。
「現在のところ脂肪肝の段階に効く薬はありますが、炎症や線維化まで進行するとダイレクトに作用する薬がありません。厄介なことに、NASHで治療を受けている患者さんは、脂肪肝から進行し、炎症や線維化の肝障害をすでに起こしている方が大半なのです」
つまり、糖尿病や脂質異常症を併発していればそれらの治療でなんとかするしかなく、炎症や線維化まで進んだNASHへの直接的な治療はない。だからこそ、今回の研究結果が注目を集めているのだ。
今後は炎症や線維化が中心のNASH患者を対象にした臨床研究が行われる見込み。NASHの正式な治療にレスベラトロールを取り入れるかどうかまでは結論が出ていないが、結束医師は、NASHで肝障害まで起こしている患者は、主治医に相談した上で、試してみるといいのではないかと話す。