沖縄で幻の自然薯(じねんじょ)と呼ばれているクーガ芋。寒さに弱く栽培量も少ないことから、現地でもあまり知られていない。
クーガ芋が大好物だという沖縄県在住の渡具口豊さんはこう話す。
「知られていないというより、知っている人はあまり広めたくないのかもしれません。というのも、個人的には他の山芋に比べておいしいと思いますし、栄養成分もハンパないのです」
すりおろしてみると、弾力性のあるクリームのように粘り気が強く、甘味やうま味も申し分なし。醤油を少し垂らすだけで、最高の一品になる。
栄養価で特筆すべきは、ジオスゲニンだ。テストステロン(男性ホルモン)やエストロゲン(女性ホルモン)は、DHEAという性ホルモンが変化してつくられる。実は、ジオスゲニンはDHEAと構造が類似しているため、性ホルモンの分泌低下による精力減退などに効果があるといわれているのだ。
数ある山芋の中でも、ジオスゲニンの含有量はクーガ芋が飛び抜けている。前出の渡具口さんも、クーガ芋を食べるようになってから、疲れにくく、体力もついてきたという。
また、ジオスゲニンはアルツハイマー病で衰えた脳の認知機能を改善することも報告されている。
その他、クーガ芋に含まれる、ヌルヌル成分のムチンはコレステロールや糖分の吸収を抑制し、生活習慣病を予防する効果も期待できる。
あまり広まらないうちにたくさん食べてみたい。
真似したい伝承療法