たしかに、すべての看護師がはつらつと仕事をしているわけではありません。燃え尽きている人はいます。張り切ってこの世界に入ってきた娘さんが、燃え尽きた人を目にするのはつらいことでしょう。当面は、「こんな看護師になってみたい」と思わせるようなロールモデルに出会えないかもしれません。
でも、ともかくその実習先で学べるものだけは学んでおきましょう。娘さんの目に最悪として映る看護師といえども、一定の技術は持っています。長年、看護の現場で働いている人たちなので、経験に基づく実践知は持っています。それだけを学べばいいのです。
大切なことは、一部の看護師だけを見て、その印象を一般化しないことです。たまたま実習先であてがわれた指導者が尊敬できないとしても、だからといってすべての看護師が尊敬に値しないわけではありません。
ただし、看護の現実の荒々しさに触れながらも、依然として理想を持ち続けることは容易ではありません。そのようなときには原点に返ってください。フローレンス・ナイチンゲールのクリミア戦争の際の活躍を振り返ってみます。ナイチンゲールは高度の教育を受けていた人で、その視点から看護にも専門的な知識と合理的な思考が必要だと考えていました。彼女が勤めた野戦病院も、燃え尽きた看護師たちばかりでした。混沌と無力感が現場を支配していました。
薬に頼らないこころの健康法Q&A