医者も知らない医学の新常識

結局どっち? いまだ結論が出ない「コーヒーの健康効果」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「コーヒーは健康に良い」という話を聞くことがあります。実際はどうなのでしょうか?

 コーヒーには「カフェイン」という神経を刺激する性質のある物質が含まれています。カフェインには習慣性があり、めまいや頭痛の原因になることもあります。「コーヒーを飲むと血圧が少しだけ上昇する」というデータも出ています。こうした事実から、「コーヒーを飲むと、心筋梗塞のような動脈硬化の病気が増えるのでは」という心配が出てきます。

 その一方で、「コーヒーの中には抗酸化作用を持つ生理活性物質が多く含まれている」といわれていて、「抗がん剤の作用を増強」したり、「インスリンの効きを良くする」というような報告もあります。こうした結果からは、コーヒーは動脈硬化の病気を予防する可能性もありそうです。

 このように、コーヒーの効果が健康に良いものかどうかは、実はまだ結論が出ていません。ただ、2012年に40万人以上に健康調査をした研究が発表されていて、そこでは「コーヒーをたくさん飲む人の方が死亡のリスクが低下した」という結果になっています。これは海外のデータですが、2015年の日本の研究でも、やはり「コーヒーを適度に飲む人の方が寿命が長い」という結果になっています。

 だからといって、無理にコーヒーを飲む必要はありませんが、1日に1杯くらいのコーヒーなら、健康に悪いということはなさそうです。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。