「コーヒーは健康に良い」という話を聞くことがあります。実際はどうなのでしょうか?
コーヒーには「カフェイン」という神経を刺激する性質のある物質が含まれています。カフェインには習慣性があり、めまいや頭痛の原因になることもあります。「コーヒーを飲むと血圧が少しだけ上昇する」というデータも出ています。こうした事実から、「コーヒーを飲むと、心筋梗塞のような動脈硬化の病気が増えるのでは」という心配が出てきます。
その一方で、「コーヒーの中には抗酸化作用を持つ生理活性物質が多く含まれている」といわれていて、「抗がん剤の作用を増強」したり、「インスリンの効きを良くする」というような報告もあります。こうした結果からは、コーヒーは動脈硬化の病気を予防する可能性もありそうです。
このように、コーヒーの効果が健康に良いものかどうかは、実はまだ結論が出ていません。ただ、2012年に40万人以上に健康調査をした研究が発表されていて、そこでは「コーヒーをたくさん飲む人の方が死亡のリスクが低下した」という結果になっています。これは海外のデータですが、2015年の日本の研究でも、やはり「コーヒーを適度に飲む人の方が寿命が長い」という結果になっています。
だからといって、無理にコーヒーを飲む必要はありませんが、1日に1杯くらいのコーヒーなら、健康に悪いということはなさそうです。
医者も知らない医学の新常識