危ない 薬の勘違い

ジェネリック医薬品は“安かろう悪かろう”ではない

ジェネリック医薬品の方が優れている場合も多くある(C)日刊ゲンダイ

 ここ数年、「ジェネリック医薬品」の認知度が急速に上がりました。国の施策ということもあり、実際にジェネリック医薬品の使用率は毎年増え続けています。しかし、ジェネリック医薬品について、正しく理解されている方はどれほどいらっしゃるでしょうか?

 保険調剤薬局では、患者さんにジェネリック医薬品の希望を伺います。すると、「ジェネリックは絶対に嫌だ」「よく効く薬にしてちょうだい」「安い薬は信用ならない」など、さまざまな声を聞きます。

 さらに深く尋ねてみると、「ジェネリックを使用した時に(たまたま)副作用が出たから信用できない」「安い分だけ品質が劣っている気がする」といったように、“安かろう悪かろう”といったイメージを抱いている患者さんが少なくありません。ジェネリック医薬品を正しく理解している人は多くないように感じます。

 薬の価格は国が決めますし、製造過程の基準などは新薬もジェネリック医薬品も同じです。ジェネリック医薬品は品質的に悪いわけでも、悪いから安いわけでもありません。実はジェネリック医薬品の方が優れている場合も多くあります。新薬の特許期間は20~25年で、市場に出てきてからおよそ10年です。その期間で製剤技術が進歩して、より良い薬が製造可能になります。

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金田崇文

金田崇文

1979年、東京都生まれ。千葉県立船橋高校を経て岡山大学薬学部を卒業。2004年からこやま薬局(岡山県)に勤務。管理薬剤師を務めながら、各地で薬や健康をテーマにした講演活動を行っている。