健康診断では分からず 日常動作が失神招く「危険な病気」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「失神は脳への血流が6~8秒途絶えたり、収縮期血圧が60㎜Hgに低下したり、脳への酸素供給量が20%低下するだけで起こります。その原因は①起立性低血圧による失神②心血管性失神③反射性失神に大別できます。①はパーキンソン病や糖尿病や脊椎損傷、尿毒症に伴うもの、抗うつ剤、血管拡張剤などの薬によるもの、がんなど消化管からの出血や下痢・嘔吐に伴うものが含まれます」

 ②は激しい運動中に起こる「大動脈弁狭窄症」のほか、「肺塞栓症」「くも膜下出血」などで発症する。むろん、失神の背景にあるこうした病気はヤバいが、厄介なのは日常動作で起きる失神だ。

「例えば③の反射性失神です。この失神はさらに3つに分かれ、恐怖や痛みなどの感情ストレスや長期の起立が引き金になる『血管迷走神経性失神』、くしゃみなどで起きる『状況失神』、それに『頚動脈洞過敏症』に分かれます。大量飲酒後に起きる『排尿失神』、高齢女性の切迫した排便や腹痛を伴う排便で起きる『排便失神』は『状況失神』に含まれます」(林院長)

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