どうなる! 日本の医療

米国で話題の「臓器別診療」の否定 日本で広がるのか?

(C)日刊ゲンダイ

「専門家が自身の効率化のために作り上げた高度専門化社会は実は非効率で、物の本質を見失ってしまうのではないか」――。英国フィナンシャル・タイムズ紙アメリカ版編集長ジリアン・テット女史の「サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠」(文芸春秋)での警告が話題だ。

 その最たるもののひとつがいまの医療システムだ。心臓外科、循環器内科など臓器別に細かく分類されていることで、患者は同じ検査を何度も受けさせられ、医療費が増え、治療日数も長くなる。

 これに異を唱えたのが米国オハイオ州にある世界トップクラスの医療施設「クリーブランド・クリニック」だ。専門部署ごとに分かれていた医療の垣根を取り払い、患者中心のシステムを構築したことで世界の医療界に大きな衝撃を与えている。オバマ大統領も絶賛するその医療システムは、例えばリウマチ科と整形外科医が連携して骨粗しょう症の治療を手掛けるなど、病気ごとに複数の専門科医が結集し治療するやり方だ。

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村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。