仮にがんで入院した患者が糖尿病の持病があったとしても、まずはより深刻な病気を治療することが優先され、内科疾患に十分な治療をする余裕も人手もない。
「最初から複数の専門医が患者さんの全身状態を診て、根治療法を探る。むろん、その後に起こるであろう合併症を予測して対処する。結果的に患者負担は軽減され、医療費も安くなる。しかし、それをすぐできるのは世界一医療費が高い米国においてであって、日本では難しいのです」(本田医師)
そもそも日本の医療は研究、論文、実験に重点を置くドイツ医療を模範として発展し、臨床中心の米国とは成り立ちが違う。そのため、日本の医療従事者は自分が専門医として勝ち取ってきた医療システムを捨て去れない。
「それでも患者のための医療は世界の大勢。日本ではお金持ちからクリーブランド方式の治療が行われるのではないか」(首都圏の内科医)
日本の医療格差はさらに広がるということか。
どうなる! 日本の医療