Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【望月三起也さんのケース】肺がん再発でも化学療法受けず

漫画家の望月三起也さん(C)日刊ゲンダイ

 今回の報道によると、肺がんの発覚は2010年。手術と抗がん剤治療を受け、画像に見られた影が見えなくなったそうです。その後、経過観察を続けたのでしょう。昨年11月に再発。

 受診を告げられたときは、「今度こそ宣告だぞ」と奥さまと覚悟され、告知のショックを2日で乗り越え、「やっぱり仕事だ」と前を向いたようです。

 ちょうどそのとき、新作に向けた出版社との打ち合わせが進んでいたことも、がんに負けまいと奮起した大きな要因でしょう。奥さまのサポートもあったでしょう。だからこその新作への意欲と思われます。

 主治医には「自分が持っている酵素みたいなもので、がんの進行が抑えられることもある。先のことは考えるな」とアドバイスされたようで、今後は特別ながんの治療を受けず、がんと寄り添っていくことが読み取れます。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。