健康は住まいがつくる

「木の香りが寝つきUP」スリット加工材でリフォーム効果あり

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 厚労省研究班の調べでは、国内の成人の3人に1人は、なんらかの不眠症状を持つとされる。その対策の一つとして、最近話題になっているのが“ほのかな木の香り”だ。東京大学名誉教授で香り研究(天然物有機化学)の第一人者、「香りの図書館」の谷田貝光克館長(理学博士)が言う。

「アロマテラピーなどで使われる天然の精油として、最近、樹木に含まれる『セドロール』という香り成分が注目されているのです。この成分は特にスギやヒバに多く含まれ、さまざまな研究から誘眠作用があることが確認されています」

 木に含まれる香りの精油成分は数十種類以上あり、木の種類によって成分構成や含有量が異なってくるが、木の香りの多くは人をリラックスさせる効果があることが分かっている。そのため木材使用が多い家ほど、健康効果の期待が高くなるという。

「木の香りで人がリラックスするのは鎮静作用によるものです。これは血圧や脈拍の上昇抑制、ストレスホルモンであるコルチゾールの減少、脳波や脳血流の測定などからも科学的に証明されています。そのような居住環境では、睡眠がよく取れて疲労回復が早く、心身がリフレッシュすることで健康にいい影響をもたらすのです」

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