看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う

普通の看護師と異なる「がん看護専門看護師」の資格と役割

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 患者さんだけでなく、院内のスタッフにまで「普通の看護師とはどう違うのですか?」と尋ねられ、まだまだ力不足だなぁと感じることがあります。

「専門看護師」を簡単に説明すると、普通の看護師には対応やケアが難しいと感じるようなケースを専門に扱う看護師のこと。

 認定看護師との違いは、まず資格取得の条件。認定看護師は6カ月以上の研修修了が必須ですが、専門看護師は看護系大学院修士課程修了が必須で、事例報告と筆記試験などの審査を通過しなくてはなりません。

 次に、担っている役割が違います。認定看護師は実践、指導、相談であるのに対し、専門看護師は実践、相談、調整、倫理調整、教育、研究。「調整」とは主に退院調整で、「倫理調整」とは告知や治療の選択、延命治療の差し控えなど、倫理的な問題の調整をいいます。

 つまり、「がん看護専門看護師」は、がんに特化した看護を専門的に学んでおり、予防から最期まで、あらゆる時期のがん予防・治療・緩和ケアなどの相談に対応できます。ですから、医師に聞きにくい内容も含めて、患者さんやご家族は、がん看護専門看護師に疑問や不安などをどんどんぶつけてほしいと思います。

 がん看護専門看護師は9割ががん診療を行う病院に在籍し、所属は外科、緩和ケア病棟、外来化学療法室、がん相談室などさまざま。ちなみに、私は現在外来に所属しており、得意としているのは、がん相談やスピリチュアルペインのケアですが、患者さんやご家族だけでなく、院内のあらゆる職種からの相談に日々対応しています。次回は、がん看護専門看護師にどういう質問をできるのか、紹介しましょう。