まず、卵巣から前駆体細胞を取り出し、「ミトコンドリア」を採取します。そして体外受精のために別に採っておいた卵子に、精子と一緒に注入するのです。ミトコンドリアはブドウ糖などを燃やし、細胞の活動に必要なエネルギーや熱を供給するための、いわば発電機の役割を担っている微小器官です。卵子の中にも最初からミトコンドリアが入っていますが、さらに外から補充することによって、その活力をアップしようというアイデアです。
卵子が本当に若返るかどうか、実のところよく分かっていません。しかし、世界中ですでに200例以上試みられ、それによって20人以上の子供が生まれています。昨年には、日本産科婦人科学会も、この治療法を臨床研究として承認すると発表しました。ただし健康保険は利かず、実施している専門病院は限られています。
なお、出産には卵子の老化だけでなく、過度のダイエットも問題視されています。BMIが15を切ると月経不順が頻発し、10以下では卵巣機能が停止してしまいます。順調な妊娠のためには、BMI20以上が好ましいとされています。少しポッチャリ型の女性のほうが、子供ができやすいということです。
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