真似したい伝承療法

山形県のだだちゃ豆

山形県のだだちゃ豆
山形県のだだちゃ豆(C)提供写真
オルニチン効果で飲酒後の疲労感軽減も

 山形県の西部に位置する鶴岡市。メロンやカブなど全国的に有名な農産物は少なくないが、その中でも、左党にすすめたいのが「だだちゃ豆」だ。

 枝豆の一種で、鶴岡以外の土地ではうまく育たない。それゆえ、オリジナル度の高い特産品といえる。

 全国の特産品を集めたショップでだだちゃ豆を購入して以来、リピーターになった会社員の加藤智さんはこう話す。

「味は噛むほどに甘味が増し、口の中にはうま味が広がります。ビールはもちろん、日本酒やワインにも合いますね」

 実は、酒の肴として優秀なだけでなく、肝臓に優しいのがだだちゃ豆のセールスポイント。

 お酒が好きな方なら、オルニチンという成分のことは一度は聞いたことがあるはず。オルニチンはアミノ酸の一種で、肝臓の機能を保ち、代謝や解毒をサポートすると考えられている。飲酒後の疲労感の軽減も期待できることから、「酒飲みのお守り」として頼りにしている人は多いはずだ。

 オルニチンはシジミに多いことが知られている。だが、100グラム中のオルニチンの含有量は、シジミが約10~15ミリグラムに対し、だだちゃ豆は約20~40ミリグラムと上回っているのだ。

 また、アルコールの分解に役立つメチオニンが多いのもうれしい。

 旬は夏だが、冷凍であれば、今でも通販などで入手できる。

 酒の肴にだだちゃ豆を食べ、締めにシジミの味噌汁を飲めば、肝臓も喜んでくれそうだ。

宮岸洋明

宮岸洋明

1965年、石川県生まれ。出版社勤務後、95年、健康ライターとして独立。以来20年、健康雑誌などで取材・執筆活動を開始。本連載では、世界的な長寿国である日本の伝承料理がテーマ。「健康長寿の秘訣は“食”にあり」をキーワードに、古くから伝えられてきた料理や食材を実食し、その栄養価、食味や調理法を紹介。筆者自身も、約1年前から数々の伝承料理を食べ約20キロのダイエットに成功。メタボを脱出し、健康診断もオールA。