当事者たちが明かす「医療のウラ側」

地方から若手医師が消える 新専門医制度は地域医療をつぶすか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
都内の40代勤務医

「本当に実力があるの?」「別にそんな肩書なんてなくても実力のある名医はいっぱいいるから関係ないよ」

 いまの専門医に対してこんな印象をお持ちの方も多いと思います。確かにいまの専門医は「日本○○学会」という、医師の任意団体が独自のプログラムで認定したもの。同じ専門医資格をうたっていても、厳しい研修・審査によって発行されるものと、事実上、講習会に出るだけでOKの“緩い”専門医資格が存在します。ですから、この資格を持っている人がその病気の診断・治療に造詣が深いとは必ずしも言えません。

 事実、医師の中には「俺より下手な医師が“指導医”だなんて威張っているが、実績・経験ともに俺の方が上。わざわざ専門医資格なんて取らなくたっていい」と考えるベテラン医師は少なくありません。「時間とお金をかけて専門医資格を取っても、患者さんはその意味を知らないし、公的な資格じゃないからメリットも少ない」という若手医師もいるのです。

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