ポリープ抑制効果も 「糖尿病薬」が大腸がん予防を変える

大腸がんはがんの罹患数第1位(C)日刊ゲンダイ

 対象者は、糖尿病ではなく、すでにポリープがあったが内視鏡の切除治療を受けた150人。2群に分け、一方は1日1回メトホルミンを、もう一方は偽薬を投与。1年後の検査では、偽薬の群は半数程度がポリープを再発、あるいは新規発生となったのに対し、メトホルミンは発生率が40%抑制された。

■1日1回の服用で副作用ほぼなし

 この研究の画期的な点は、まず「副作用がほぼなく、安価で、1日1回の服用という負担が軽い方法で、大腸がんにつながりかねないポリープの発生を抑えられた」ことだ。大腸ポリープが一度できると、多くが何度も繰り返す。対策は、定期的な内視鏡の検査と切除しかなかったが、メトホルミンなら実に手軽だ。

 次に、「糖尿病でない人を対象に抑制効果を得られた」点。

「糖尿病は大腸がんのリスク因子。糖尿病患者を対象にすると、ポリープ抑制がメトホルミンの効果か、糖尿病改善による効果か、はっきりしません。非糖尿病患者を対象としたことでメトホルミンの直接的な作用を実証することができました」

3 / 4 ページ

関連記事