日本の漢方は中国の漢方と同じものではありません。
流派がいくつかあり、時代と共に淘汰されてきましたが、「古方派」のように、症状を重視して処方します。たとえば、西洋医学のように「風邪だから○○という薬」「頭痛だから△△という薬」という考え方ではなく、「寒けや頭痛が突然出てきて、首や肩がひどく凝る」などという症状を聞いて、葛根湯を処方するのです。
一方、中国の漢方(中医学)は、症状から東洋的な病名に行きつき、その原因となる臓器に働きかける薬を処方します。
中国旅行の時に、「本場が一番」などと漢方薬を購入した話を聞きますが、その際は、日本と中国の漢方が違うことを念頭に置いておきましょう。
また、信頼のおける漢方の専門家に現地の言葉で十分に症状を説明し、コミュニケーションを取った上で漢方薬を処方してもらうのはいいですが、そうでなければ、ちょっと待ってください。その漢方薬は、十分な検査を介していますか? 表示されていない成分が入っている可能性はありませんか?
漢方薬は「薬」です。正しく処方されていても、不注意な使い方をすれば、副作用が主作用を超えてしまう可能性があります。成分について安全性がはっきり確認できないようなら、飲まない方がいいでしょう。
漢方薬は土地特有の気候や風土の影響が大きいものです。だから、かつては生薬のよい産地だったところも、現在は環境汚染や工業化などでそうではなくなってきていることもあります。過度に心配する必要はありませんが、安全性を考えるなら、日本の卸問屋を経てきた漢方の方がお薦めです。
漢方達人をめざせ!