■患者が理解するまで行っているかも重要
そうしたリスクスコアを患者さんに提示して説明するには、術前にしっかりした検査を行い、適切な診断をした上で、標準的な治療からその患者さんに適した治療まで、外科医が幅広い知識と経験を持ち合わせていなければなりません。
たとえば、患者さんに心不全が起こっているときに行った検査データを使うと、リスクスコアは高く出て、実際に死亡率も上昇します。リスクスコアを正当に評価するためには、できるだけ患者さんの状態を安定させた上で行った検査のデータを用いなければならないのです。つまり、リスクスコアを提示して適切な説明を行う医師は、それだけ信頼できる手順を踏んでいると判断できます。
逆にリスクスコアが出てこない医師や病院は、しっかりした検査をやっていなかったり、勉強が不十分なことが考えられます。その施設内でしか通用しないような独り善がりの治療を行っている可能性が高いと考えてもいいでしょう。
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