術前のこうした手続きは、一般的な病院ならある程度は行っています。しかし、ここまで細かくやっているかどうか、患者さんがそれを理解するところまでやっているかどうかが重要なのです。
私の印象では、初回の時点では、「先生から説明を聞いたけど、なんかよく分からないな」という患者さんが7~8割ほどいるのではないかと思います。そういう場合、患者さんや家族が理解できるまで繰り返して説明します。最終的に「すっきりした気分で手術を受けられます」とか、「早く手術して下さい」といった返事が来れば、理解いただけたと判断しています。このように、分かるまで説明してもらえないようなら、病気が“待ったなし”の状況でない限り、焦ってそのまま手術に踏み切らないほうがいいでしょう。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」