あくまで推測ですが、腎臓がんを発症したのは、遺伝の影響があるかもしれません。
ヒトは両親から一つずつの遺伝子を受け継ぎ、いろいろな役割を担っています。がん発症との兼ね合いで重要なのは、発症を抑えようとする「がん抑制遺伝子」です。生まれつきどちらかの遺伝子が突然変異していて、生活の途中でもう片方にキズがつくと、がんを抑える働きがストップ。がんにかかりやすくなるのです。
遺伝的な要因があると、腎臓や中枢神経に腫瘍が多発する傾向があり、こうした方の4割近くが腎臓がんを発症するとされています。一般的な腎臓がんの発症は55歳以上なのに対し、このタイプの腎臓がん発症年齢は平均38歳と若く、2つの腎臓の両方にできやすいのが特徴。10代で発症するケースもあります。
遺伝子異常は検査で分かりますから、若くしてがんになった人が近縁者にいる家系の方は、若いうちからがん検診を受けることが大切です。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁