今回は、がんの3大治療のひとつ、抗がん剤についてのお話です。
ここ数年、医療関係者の間で注目されているのが「抗がん剤の曝露対策」です。先日行われた日本がん看護学会学術集会でも、シンポジウムやセミナーが多数開催されていました。
がん薬物療法に使用される抗がん剤は、細胞の増殖を抑制し、治療薬として効果を挙げる半面、正常な細胞に対する毒性を有しており、発がん性や催奇形性などの影響があるといわれています。
抗がん剤は内服や点滴、注射で投与されることが多いですが、たとえばそれが意図せず揮発し、人が空気と一緒に吸入したり、直接手で触ってしまうことで危険にさらされることを「曝露」といいます。
特に薬剤師や看護師は、抗がん剤を調製する際や、患者さんに投与する際など抗がん剤を取り扱う機会が多い。欧米では以前から危険性が指摘されていましたが、日本でもようやくここ数年、抗がん剤の曝露への対策が検討されるようになってきました。
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