大地震後の被災地で怖いのは、余震による建物の倒壊だけではない。普段は地下などに潜んでいる害虫などが表に出てきて、悪さをする。
そのひとつがネズミだ。5年前の東日本大震災のときには、避難住民が残した食品や家畜の死骸などをエサに大発生。家の柱や布団をかじったり、畑の作物を荒らし回るなどの被害が報告されている。
どんな家屋が狙われやすいのか? 30年以上にわたり街のネズミ駆除を研究しているイカリ消毒・技術研究所の谷川力所長(獣医学博士)が言う。
「高断熱住宅やマンションなどの新しい家は、ネズミの侵入経路が少ないのでまだいいのですが、ネズミがすみつきやすいのは築40、50年くらいの古い一戸建て住宅です。そのような家は高齢者世帯が多く、ネズミの侵入が放置されたままになっているケースが少なくありません」
もともと高齢者世帯では、ネズミ取りなど自力でネズミの駆除をしていないことが多い。経済的理由から駆除業者への依頼もためらう傾向があり、駆除を諦めてしまう人が少なくないからだ。
健康は住まいがつくる