健康は住まいがつくる

大地震後に激増 高齢者はネズミによる健康被害に気をつけろ

東日本大震災でも激増(C)日刊ゲンダイ

 ネズミがもたらす健康被害は、さまざまな感染症が知られている。仕掛けたワナで捕まえたネズミを始末しようとして噛まれると、鼠咬症を発症する恐れがある。ネズミが持つ病原菌が傷口から入り込み、急な発熱、頭痛、関節痛などの症状が表れる病気だ。

 直接、ネズミに触れなくても、尿にも病原菌が含まれているので注意が必要だという。

「レプトスピラ症は、ネズミの尿に汚染された水に触れただけでも皮膚から感染します。症状は高熱や黄疸、筋肉痛など。腎障害などを伴う重症型(ワイル病)を引き起こすこともあります」

■寿命を縮める

 ネズミに寄生するイエダニも問題になる。ネズミから離れて移動し、人を吸血することで激しいかゆみと皮疹を引き起こす。

「ネズミによる健康被害は感染症や皮膚炎だけではありません。ネズミが家にすみついていることへの精神的苦痛やストレス、深夜の物音などで睡眠障害を引き起こします。特に高齢者は眠れなくなって睡眠リズムが崩れると持病の薬を飲むリズムも崩れてしまいます。いま介護福祉関係者や保健所が心配しているのは、『ネズミが高齢者の寿命を縮めてしまうのではないか』という懸念です」

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