本当は危ない“正常値”を見逃すな

糖尿病リスク回避 食後眠ければ血糖値の「差」を見るべき

(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病ガイドラインでは「空腹時血糖値」と「75グラム経口糖負荷試験2時間値」(以下2時間値)の組み合わせで「糖尿病型」「正常型」「境界型」に分けます。「空腹時血糖値126(mg/dl)以上」「2時間値200以上」の両方を満たすもの、あるいは「随時血糖値200以上」あるいは「HbA1c6.5(%)以上」であれば、糖尿病と診断されます。HbA1cは過去1~2カ月の平均血糖値です。

 しかし、これらの数値より低いからと安心していてはいけません。

 健診では2時間値は見ませんので、空腹時血糖値に限ってお話ししましょう。空腹時血糖値だけで判断する場合、100未満が正常型で、100以上109未満は「正常高値」となります。

 正常高値は、詳しい検査をすると隠れ糖尿病や境界型糖尿病(糖尿病予備群)が見つかる可能性がある段階。75グラム経口糖負荷試験2時間値を調べ現在の血糖コントロールの状態をきちんと把握しなくてはなりません。

 次に、HbA1cは6.5未満であっても、年々増え続けているようなら糖尿病へ進行していく恐れがあります。糖質の過剰摂取を抑え、血糖値を上昇させる歯周病やストレス対策をする必要があります。

 さらに、食後に眠くなったり、怒りっぽくなる人は、病院で空腹時血糖値と食後1時間の血糖値の上昇のチェックを。

 この差が大きければ、健診の結果は正常でも糖質の取り方や量に問題があり、やはり今後の糖尿病発症のリスクを上げることになります。「食事の最初に野菜を食べる」「良質なタンパク質を多めに取る」「主食は食後の血糖値を急上昇させない雑穀、パスタ、そばなどにする」といった対策を講じてください。

佐藤智春

佐藤智春

スタイリストとして活躍していた32歳の時、働き過ぎで体調を崩しダウン。「分子整合栄養医学」に出会い、人体と栄養の関係を学び、実践を重ねながら健康を取し、血液栄養診断士の資格を取得。現在はクライアントの血液データから栄養を厳密に把握し、食と医療、ライフスタイルを具体的に提案。著書に「卵を食べれば全部よくなる」「男は食事で出世させなさい」「身長を伸ばす7つの法則」など。