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「酒は百薬の長」は本当か? 研究機関が因果関係に疑問符

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「酒は百薬の長」はウソだった?

 昔から、適度の飲酒は健康によいといわれてきた。アルコールの作用によって、食欲が増進したり、ストレスが緩和されたり、血行がよくなって血管が詰まりづらくなったり、循環器系疾患の発病が抑えられるとされている。

 しかし、オーストラリア国立薬物研究所の研究により、適量のアルコールが寿命を延ばすという見解に疑問が呈された。それまで行われた87件の研究について検討し、「病気による禁酒を考慮していない研究」を除外したところ、適量の飲酒による寿命への利益は認められなかったという。また、飲酒する人の中で最も結果が良好だったのは、「時折(10日前後につき1杯未満)酒を飲む人」だということもわかった。

 今回の研究を行った研究者は、「中高年の少量から中等量の飲酒は、良好な健康状態であることの指標であって、原因ではない可能性が高いことが明らかになってきている」と指摘している。

 つまり、酒を飲めるのはそれだけ健康だという証しにすぎないということ。逆に酒を飲まない人は、病気になったことが原因で酒をやめたケースも多く、その病気によって早期に亡くなる比率も高いという。酒を飲まないから寿命が短くなっているわけではないのだ。

 健康にいいから……と酒を飲んでいたのんべえは、言い訳がなくなってしまうかもしれない。