独白 愉快な“病人”たち

医師・精神科医 宮島賢也さん(42)うつ病

医師の宮島賢也さん(C)日刊ゲンダイ

 でも、ある自己啓発の本に、「医者は“対症療法”の専門家ではあっても“健康”の専門家ではない」と書かれていたんです。結局、医療とは、体が無理しているサインを出しているのに薬で症状を抑えて、根本的な解決を先延ばしにしているものだ、と気づきました。

 その本と出合ったことを機に、33歳で「食」「生活」「思考」を変えました。菜食にして、付き合いも減らしました。若手は呼ばれた飲み会に参加するのがマストだと教えられていましたが、たまには欠席して心の余裕をつくった。そして、薬もやめてみました。

■病気は「気づき」を与えてくれるもの

 34歳で自衛隊の病院から栄養療法のクリニックを経て、36歳の時に自律神経免疫療法を行う「湯島清水坂クリニック」の院長になりました。クリニックには血行改善をサポートする鍼灸師もいて、医師と「ライフスタイルを変えていく」指導が中心。鍼灸や事務などはプロにお任せして、自分の得意分野で力を発揮し、チームでパフォーマンスを上げるようにしていました。

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