信頼できない医師による、リスクの高いむちゃな治療から身を守るためには、患者さんが自分の病気の状態と、治療を選択する際のリスクをしっかり把握することが重要です。前々回から2回にわたり、そのための判断材料を紹介してきました。つまり、患者さん側もある程度の勉強が必要なのです。
自分の病気や治療に対する勉強をして、それなりの知識を蓄えている患者さんは、“出たとこ勝負”の患者さんよりも、健康な日常を取り戻せる可能性が高い印象です。これは、投資と同じようなものといえます。投資では、勉強した人は儲かる可能性がアップします。しかし、勉強もせずに他人の誘いに乗っているだけの人は、最終的には損をするケースがほとんどでしょう。
もちろん、医療は投資と違って「公共サービス」ですから、医師や病院には、リスクをはらむ“うねり”の中で患者さんが漂流したり、溺れないようにする義務があります。しかし、そうした義務を怠っている医師や病院も残念ながら存在するので、損をしないためには患者さんの勉強と知識が重要です。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」