また、日本では患者さんが病気や治療についてあまり勉強しない傾向が強いといえます。保険制度が行き届いているため、勉強しなくても一定水準の医療を受けることができるからです。ただ、溺れるリスクをより低くできるかどうかは、患者さんの勉強と知識にかかっています。たとえば、病院の診断機器に関する知識もそのひとつです。近年、CTやエコーなどの画像診断機器は驚くほど進化しています。心臓の検査機器でいえば、3D―CTでは、心臓の状態、弁の動き、冠動脈などを立体的にはっきり映し出すことができます。エコーも、カラー化と3次元の描写により、詳細まで判別できるようになりました。
■画像診断機器の差が予後を左右するケースも
こうした画像診断機器の進歩によって、どこからアプローチしてどの部分をどう処置すればいいかを術前にしっかりシミュレーションできるようになり、手術も進歩しました。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」